退職挨拶でスピーチをする時の『内容・例文・話し方』を丁寧に解説

退職挨拶でスピーチをする時の『話し方・内容・例文』を丁寧に解説

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会社を退職する際、最終出社日には退職者から『退職の挨拶』をするのが一般的です。

ただ、スピーチが苦手な方に限らず、退職挨拶をするのはほとんどの人が初めての経験なので、「どのように話せばいいのかよく分からない」ということも多いと思います。

もちろん、絶対にこうあるべきというルールはありませんが、何も考えずに話してしまうと、まとまりのない話になってしまったり、時間が長くなりすぎて聞いている人が飽きてしまったりして、後味の悪いスピーチになることも少なくありません。

そのような失敗をしないためにも、今回の記事では、退職当日に挨拶スピーチをするときの『注意するポイント』『話しの流れ』『例文』をご紹介します。

最終日はあなたにとって特別な1日となるので、退職挨拶で失敗して後悔しないように、しっかりとポイントを押さえて臨んでください。

退職挨拶での『話し方のポイント』

まずは、退職挨拶でスピーチをする時の『話し方のポイント』を紹介します。

お世話になった方々の顔を見ながら話す

退職時の挨拶は、自分がお世話になった部署の方々の前に出てスピーチするのが一般的です。

緊張すると下を向いたり上を見たりしてしまいがちですが、目の前にいるお世話になった方々にしっかりと感謝の気持ちを伝えるために、一人ひとりの顔を見ながら挨拶することを心がけましょう。顔を見て話すことで、あなたの感謝の気持ちがより相手に伝わるようになります。

ネガティブな発言をしない

退職挨拶の場では、会社への不平不満を話さないようにしましょう。

スピーチを聞いてくれる方々はこれからもその会社で働いていく人たちですので、会社への批判を聞くのは不快に感じる人もいるでしょう。また、同僚や後輩など、残された人たちへの影響もあるかもしれません。

会社への不平不満をどうしても伝えたい場合には、上司や部長と1対1の時に直接伝えるようにして、スピーチの場ではマイナスな発言は慎むようにしてください。

スピーチ時間は短めにする(目安:1-2分)

スピーチの時間は長くなりすぎないように、1~2分で話し終わるようにしましょう。

あなたと親しい人であればあなたの話をしっかりと聞いてくれますが、会社ではそのような人たちばかりではありません。スピーチが朝礼の時であれば従業員は「早く仕事を始めたい」と思いますし、スピーチが終業時刻間際であれば「早く帰りたい」「残りの仕事を早く片付けたい」と思う人もいます。

最終出社日は、退職者にとっては特別な一日で色々な思い出を語りたいという気持ちも分かりますが、長くなりすぎると聞いている方もイライラしてしまい、後味の悪い最後となってしまいます。色んなエピソードを入れ込むのではなく、エピソードを1つに絞り、スピーチ時間は長くても2分で終えた方がよいでしょう。

暗記せずに、話す内容だけ整理しておく

退職挨拶は試験でも面接でもなく、話す相手は社内であなたがお世話になった方々です。暗記した言葉をそのまま喋るよりも、その時にあなたの口から出た言葉で話す方がより相手に感謝の気持ちが伝わります。スラスラと話すことが重要ではなく、感謝の気持ちが伝えられるかが大切です。多少話がつまってしまうこともあるでしょうが気にする必要はないので、あなたからその時出てきた言葉で伝えるようにしましょう。

ただ、「何について話すのか」ということだけは事前に決めておきましょう。
何も考えずにスピーチをしてしまうと、まとまりのない挨拶になってしまったり、当たり障りがなく中身のない挨拶になってしまうことがあります。最低限「このエピソードを話そう」などと決めておくようにしてください。

退職挨拶の『スピーチ内容』

退職挨拶のスピーチの流れ

退職挨拶のスピーチの流れは、下のような内容が一般的です。

  1. 退職の報告
  2. 感謝の言葉と具体的なエピソード
  3. 今後の抱負
  4. 部署へのエール

① 『退職の報告』

まず一番初めに『退職の報告』をします。下の例文が定番のフレーズとなります。

<文例>

  • 一身上の都合で、本日退職することとなりました。
  • 〇月〇日付で退職することとなり、本日が最終出社日となります。

退職理由については、定年や結婚が理由であればそのままの理由でOKですが、転職や病気の場合は詳しく伝える必要はないので「一身上の都合のため」とするのが一般的です。退職理由に触れたくない場合は無理に付け加える必要はありません。

また、最終出社日と退職日が異なる場合は「〇月〇日付で退職」と言うように、正式な退職日を伝えるようにしましょう。

② 『感謝の言葉』と『具体的なエピソード』

退職の報告をしたら、次はお世話になった方々への『感謝の言葉』を述べます。下の例文のように、「〇年間、ありがとうございました」というのが一般的です。

<『お礼の言葉』の例文>

  • 入社して5年間、開発部の皆さまから多くのことを学ばせて頂き、本当にありがとうございました。

そして、感謝の言葉の後には、あなたの『具体的なエピソード』を付け加えましょう。

この具体的なエピソード部分が、あなたらしさが最も表れる部分であり、あなたの気持ちが相手に伝わるポイントとなります。具体的な内容であれば、聞いている方も「あの時大変だったよなあ」「そんなことあったんだ」とあなたの言葉に耳を傾けてくれるようになります。

具体的なエピソードをする時のコツは、『失敗談を盛り込む』ことです。
この失敗談があると『失敗談⇒感謝の言葉』と繋がりやすいですし、より感謝の気持ちが伝わりやすくなります。下の例文の赤字部分が失敗談に当たります。

<『具体的なエピソード』の例文>

  • 仕事に自信のなかった私が、今では大きなブランドの商品開発にも携わることができるようになったのは、時に厳しく、時に優しく支えてくださった皆さんのおかげです。
    私のミスでスケジュールを1週間間違えてしまいチーム総出で作業することになるなど、先輩方にはたくさんのご迷惑をおかけしてしまいましたが、それでも今日まで温かく見守って下さったことに感謝の気持ちでいっぱいです。

また、やってはいけないことは『エピソードを盛り込むすぎてしまう』ことです。
ついつい会社で経験した苦労話など色々なエピソードを盛り込みすぎてしまい、話が長くなるのはNGです。エピソードは、自分が最も伝えたいもの1つに絞るようにしましょう。

③ 今後の抱負

次に『今後の抱負』について話しますが、転職の場合には具体的な目標や意気込みは避けて、「会社で学んだ経験を活かして頑張っていきます」という内容にとどめておくのが良いでしょう。

<『今後の抱負』の例文>

  • 今後も、皆さまから学んだことや会社での貴重な経験を活かして、頑張っていきたいと思います。

④ 部署へのエール

最後に、お世話になった方々へのエールで締めの言葉とします。

<『今後の抱負』の例文>

  • 最後になりますが、皆さまの益々のご活躍とご健康をお祈りしています。今日までありがとうございました。

退職挨拶の『例文』

最後に、退職挨拶の『例文』を紹介します。

退職挨拶には「具体的なエピソード」を入れた方がよいですが、「スピーチを短めにまとめたい」という方もいると思いますので、『例文①:1分ver(具体的なエピソードあり)』『例文②:30秒ver(具体的なエピソードなし)』の2つを紹介します。

例文①:1分ver(具体的なエピソードあり)

退職挨拶の例文:1分ver(具体的なエピソードあり)

 

例文②:30秒ver(具体的なエピソードなし)

退職挨拶の例文:30秒ver(具体的なエピソードなし)

まとめ:退職挨拶のポイントを押さえて、後悔のない最終日を送ろう

以上が、『退職挨拶のスピーチのポイントと例文』についての紹介でした。

最終出社日はあなたにとって記憶に残る特別な日なので、退職挨拶で失敗して後悔することがないように、今回の内容を参考にして気持よく退職日当日を乗り切ってください。

また、退職日当日は、「退職挨拶」以外にも、「挨拶回り」「デスク・ロッカーの清掃」や「会社の備品の返却」、「必要書類の受け取り」などがあり、とても忙しい一日になります。最終出社日の過ごし方については、下の記事でまとめているので、参考にしてみてください。

check最終出社日にやること:退職当日の『出勤前・午前・午後』の過ごし方